ExcelやAccessで構築された業務システムは、少量のデータ処理には最適ですが、事業の拡大やデータ量の増加により、処理速度や安定性の限界を迎えることがあります。特にAccessは小規模システム向けの優れたツールですが、データ量が増えたときのパフォーマンス低下や、開発・保守を担う担当者の不在が課題となりやすいです。
今回は、Accessベースの業務システムからSQL Serverへのアップサイジングによって課題を解消した事例をご紹介します。
社内で使用していたAccessによる業務システムは、当初は数万件のデータを扱う小規模なものでした。しかし、数年の運用を経て、扱うデータは50万件以上に拡大。複雑な検索や集計の際、処理が数分かかるようになり、業務に支障が出始めていました。
さらに、Accessの開発を担当していた社員が異動し、システム改修や保守体制の確保が難しい状況となっていました。
Accessのクライアント機能を活かしつつ、データベース部分をSQL Serverに移行することで、以下のような効果を得られました。
SQL Serverに移行することで、重かった検索や集計処理が一瞬で完了するようになり、作業効率が劇的に改善しました。
Accessでは開発時のサンプルデータと本番データの差異でトラブルが発生していましたが、SQL Serverでは本番データを前提としたデータ整備・検証が可能になり、手戻りや仕様漏れを抑制できました。
システムの処理設計や抽出ロジックをSQL Server側で整理することで、Access固有のVBAコードへの依存度を減らし、非エンジニアでも運用・拡張しやすい体制が整いました。
AccessとExcelで構築された業務システムは、SQL Serverと組み合わせることで、スピード・拡張性・メンテナンス性を飛躍的に向上させることができます。既存のAccess資産を活かしつつ、将来の運用にも安心できる構成を整えたい企業には、アップサイジングが有効な選択肢です。
AccessやExcelでの開発資産を活かしながら、次のステップへ進みたいとお考えの方は、ぜひご相談ください。
必ずしもそうとは限りません。
Accessは現在もMicrosoftが提供している現行製品であり、小規模〜中規模の業務システムとしてはコストパフォーマンスに優れた有効な選択肢です。
特に以下のようなケースでは、Accessの継続利用が適しています:
・Excelでの運用が限界になってきた
・専用システムを導入するほどの予算がない
・社内にOfficeが導入済みでAccessがすぐ使える
・現在のAccessシステムを活かして改修・強化したい
もちろん、大規模なデータ処理や社外との連携が多い場合には他の選択肢もあります。
お客様の業務規模やご要望に合わせて、Accessの継続利用/他のシステムへの移行も含めたご提案が可能です。
はい、可能です。
既存のAccessシステムについて、設計書がない場合でも内容を解析したうえで、保守契約を締結することができます。現在の構成や機能を把握し、適切なサポート体制をご提案いたします。
複数人で同時に使用できるようにAccessを改修します。
Accessファイルを画面(フロント側)とデータベース(バックエンド側)に分割し、複数人で同時に使用できるようにします。
はい、可能です。
お客様とご相談し保守の「内容」「期間」「金額」を決めさせていただきます。
Access 2.0、97、2000、2003などの旧バージョンから、最新のAccess 365まで幅広く対応可能です。旧バージョンで動いているシステムの調査・移行も対応いたします。